それは何気ない一言だった




ひねくれた王子に見初められた姫君の苦悩1




は久々の休暇をこれまた久しぶりに会うことのできたとショッピングに励んでいた

なかなか二人がこれ!と思うものがなく、あちらこちらと歩き回っていー加減疲れてきたころ

お茶にしようか?というの提案にのって

二人はまだ新しいカフェのテラス席に陣取った

冷たいアイスティーを片手に一息いれれば

「なかなかいいものは見つからないね」

が溜息をつきながらそう言う

「まあ、いいじゃない。取り立てて急ぐものでもないしね」

「でも、次にと一緒に出歩けるのがいつになるやら」

「あ〜・・・・それは、そうね」

カラカラとストローを回しながらが拗ねたような表情をみせる

拗ねてみせるもののは絶対に文句は言わない

彼女とて馬鹿ではない

自分の夫や達がこの社会においてどれだけ重要な人物であるかぐらいは認識している

なら拗ねるなと言われそうだが、認識するのと理解するのは別である

ふっと視線を通りのほうに向ければ、街路樹の下で派手に喧嘩しているカップルがいて

喧嘩というよりパニクっている彼女で彼氏が楽しそうに遊んでいるようにも見えなくもないんだが

が関心した様子で見ているとが何か思い出したように小さく笑った

「なーに?なんか意味ありげな笑いだったけど」

「ちょっとね、懐かしいな〜って思ったの」

「懐かしい?あの喧嘩が?」

「そういうこと。昔まったく同じことやったのよ」

「朱衡さんと!」

「他に誰がいるのよ?」

「いや、いないだろーけど。なんとなく想像つかなくて・・・」

「あの人もあれでかなり性格丸くなったほうよ」

の言葉には頷くに頷けなかった

「そういえば、はどうやって朱衡さんと知り合ったの?」

「えーっと」

その問いにの視線が宙をさ迷った

「成笙さんの所は幼馴染だし、帷湍さんの所は職場の同僚だったって話だし。はどうやって朱衡さんと出会ったの?」

アイスティーを飲み干しながら

「人間には答えられる問いと答えられない問いがあるのよ」

そう言い切った

「意地悪〜」

膨れてみせたもののこうなったが頑として口を割らないのはあきらかで、は早々に諦めて朱衡さんにでも聞こうと考えていた

「そうね、でも一言でいえば・・・」

まさか返ってくるとは思わなかったのでは驚いた表情のままを凝視してしまった

その視線にも気づいていないのかは通りを見つめたまま

「罠に嵌められたってとこかしら」

サラッと怖いことを言ってくれた

「罠ですか・・・・・」

あの朱衡のことだからありきたりのことではないだろうと予想はついたが

「うん、罠よ。それもクモの糸のように張り巡らされたやつね」

だんだん詳細に思い出してきたのか心なしかの表情が変わってきたような気がする

「うふふふふ〜あの頃はそんなこと気付きもしなかったんだけどね〜」

やばっ!私ってもしかして思いっきり地雷ふんでしまいましたか?

が少々及び腰でそんなことを思っていると

「それでも聞きたい?

にっこりと素晴らしい笑顔つきで視線を合わせられ、思わず首を横に振りそうになったが

今回は恐怖よりも好奇心のほうが勝ったようで、根性で首を縦に振った

「長くなりそうだから場所を変えてね」

諦めたように溜息をつきながらが席を立ち、もその後についていった

「何処に行くの?」

「そうね〜どうせもうこんな時間なんだし、居酒屋にでも行こうか?」

「えっ!もう行くの?」

現在時刻、午後五時を少し過ぎたくらいである

「もう開いているでしょうし、素面じゃとてもじゃないけど話せないわよ」

「行く!」

が即答したのは言うまでもない






「とりあえず乾杯しとく?」

「そうね、そうしようか」

は生ビールの中ジョッキをはウーロン茶のグラスを上げた

「お疲れさまです」

「そちらこそ」

チンっと軽くグラスを合わせるとは一気に半分ほどを飲み干した

ちなみにも少しは飲めるのだが、尚隆から自分が横にいないときに飲むのは禁止だ!と言われ大人しくそれを守っていた

「えーとなんだったかしら?」

「朱衡さんとどーやって出会ったかってことです」

おつまみにとったから揚げをつつきながらが視線を投げれば、少し困ったような顔をしながら

「さっき言った通りよ、まんまと罠に嵌っちゃったの」

「それがよく分かんないんですけど」

いや、なんとなく分かるんだけど分かりたくというのかなんといのか・・・・

「第一印象は最悪だったのよね」

苦笑しながらが懐かしそうに口にする

「そんなに悪かったの?」

「そりゃあもう!嫌味の一つや二つスラスラと出てくるくらいにはね」

この二人のことだから絶対一つ二つじゃすまなかったと思うけど・・・は思った。思ったが口に出すほどの度胸はなかった

「今更ながら手が出なかったのは奇跡だわ」

朱衡さん!あんたいったい何やったんですか!!

「でもね、冷静に考えればあれも全部計画のうちだったような気がするのよね」

「最悪の出会いがですかい?」

「うん、そっちのほうが普通に出会って挨拶交わすより印象に残るでしょ」

そりゃそうだろうが・・・普通は使わんぞ・・・

「あの頃はお互い若かったからね〜」

グビッとジョッキを一気に空けると店員におかわり!と頼んでこれまたおつまみに頼んでおいた枝豆を口にした

「ふっ・・・まあ、世間知らずだった私にも責任はあるんでしょうけどね」

お姉さん・・・心なしか背中に暗雲が漂っているんですが・・・

「えーっと・・・会社で出会ったの?」

「いいえ、大学よ」

「へっ?」

「言わなかったっけ?私、アメリカの大学スキップで卒業したから19歳の時すでに大学院にいたの」

「初耳です」

「大学院の短期留学コースで日本の大学に研修に来たとき彼に出会ったの。その前から色々と噂は聞いていたけどね」

「朱衡さんも大学生してたの?」

なんかものすごく違和感があるんだけど・・・

「彼はとっくに卒業してたわ。彼の場合、20歳で大学院まで卒業してたから」

納得・・・・

「彼はすでに日本に来ていて会長の元で働いていたわ、大学には人材確保のために立ち寄ったらしいのよ」

「人材確保?」

「優秀な人材は卒業前からツバつけて確保しとくの」

なるほど、が感心して頷く

「そこで最悪の出会いを果たしたのよ・・・・」








言い訳

なんでこーなったんだろう?続きものにするともりはなかったんだけど

しかもなんつータイトルじゃ・・・自分のタイトルセンスのなさに泣けてくるぜ・・・

えーっと次はお二人の最悪の出会い編です

なもんですから過去です。何年前になるかは正確に数えないよーに

この世界、すべてはだいたいで成り立ってんだから!




 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送