Long a go
こんな出だしだとかなり昔の話に思えるが、本当はほんの少し前のこと
今や世界的大企業の幹部であるお二人が出会ったばかりの頃
その出会いは
最悪だったりするんだけど・・・・
ひねくれた王子に見初められた姫君の苦悩2
「信じられない!なんでですかっ!!」はたった今返却されたばかりの自分のレポートを片手に叫んだ
レポートにはご丁寧にも表紙に赤字で大きく一言
<使えん!>
と記してあったりする
「教授!何なんですかこれ!!」
は目の前で困ったような顔をしているケンタッキーのカーネルサンダースに似た自分の担当教授に詰め寄った
これでもアメリカの大学課程を数年スキップしてこの歳で大学院に進み、まして現在は短期留学とはいえ研修の一環として日本に大学に来ている。遊びで来ているとは思われたくなくて必死の思いで語学も勉強してきた、そのおかげで会話はとてもスムーズで難しい経済用語だって理解できたし、尊敬語だって使える。謙譲語との違いはいまいち理解できていないが・・・・
今回提出したこのレポートだってそれなりの自信はあった。
はっきり言えば、日本の学生との優劣の差をはっきりさせるために提出したようなものだった
「いや〜たまたま来ていた方がそれを見てね」
の勢いにタジタジな教授は恐る恐るという感じで説明し始めた
「知っているかもしれないが、小松コーポレーションという名をきいたことはあるかい?」
聞いたことがあるもなにもの就職希望第一はそこだったりする
「よく知っています。最近、トップが変わってかなり業績が伸びてきていますけど」
まあ、落ち着きなさい、と教授は椅子を進め、コーヒーまで淹れてくれた
「そこの重役の一人が君と同じように短期でうちの大学に留学していたことがあってね。その縁でうちの大学に顔を出すこともあるんだよ」
言い方は悪いが人材確保だねぇと教授はのんびりとした口調で語った
は一瞬で血の気が引いた、その人物なら向こういる時から嫌というほど話には聞いてきた色々な意味で有名な人だったりする
が短期留学の先にこの大学を選んだのもその人物がこの大学を選んだからだ
人格的には色々と問題があるかもしれないが、物事の捉え方やトラブルの対処法などがとよく似ていて、が憧れとしている人物だった。
驚きのあまりが口を開けないでいると、控えめなノックの音がして教授が返事をすると同時に一人の男性が音もなく室内に入ってきた。
「失礼しますよ、教授」
洗練された柔らかな物腰、にこやかな笑みをうかべたその人物が誰かはすぐにわかった
「やあ、朱衡くん。良いところにきたね、紹介しよう。彼女は君がこの間、こき下ろしたレポートの作成者だよ」
教授にそういわれては慌てて席を立った
「はっ初めまして」
緊張して声が震えるを朱衡は値踏みするように上から下までじっくりと眺めると
「ああ、あの使えないレポートを書いた人ですね」
情け容赦ない一言を放った
「しっ失礼ですけど!あれは私なりに熟慮して出したものです!」
朱衡は浮かべていた笑みをことさら深くして
「お嬢さん、会社経営は机上でするものではないのですよ。もう一つ言わせてもらえれば、子供の遊びじゃないんです」
と明らかに馬鹿にしていると分かる口調でに答えた
「教授!失礼させてもらいます!!」
悔しさのあまり少々涙目になりながらは部屋を飛び出した
朱衡の言っていることは正論で、正論だからこそは文句のつけようがなく、それがひどく悔しかった。
もう少し違った言い様があるんじゃないの!!なんなのよあの言い方は!人を馬鹿にするにもほどがあるわ!!
あんな失礼で無礼千万な男に憧れていた自分が情けなくて、は手にしていたレポートを思いっきり握りつぶした
「朱衡くん・・・あんまり苛めないでくれないかなぁ。あの子は私にとってもお気に入りなのだが」
「ふふふ、可愛いですね。人様に見せるのが勿体ないくらいです」
教授はふか〜い溜息をつくとの飲みかけのコーヒーカップを流し台に持っていった
「しかし、いいのかい?あの子にとって君の第一印象は最悪なんじゃないかい?」
「そちらのほうが都合いいんですよ、教授。印象に残るでしょう?」
食えない笑顔をみせる朱衡に教授は再び溜息をつくと
「インスタントしかないけどコーヒー飲むかい?」
「有難く頂きます」
自分なんかとは比べ物にもならないくらいハードで過激な世界で生き抜いている教え子のちょっと(?)変わった愛情表現に教授はただただ溜息をつくしかできなかった
「!久しぶりに遊び行かない・・・・って聞くだけ無駄そうね」
「ごめん、今それどこじゃないの」
「な〜に焦ってんの?向こうに戻るまでに論文一つ上げればいいんでしょ?まだまだ時間はあるじゃない」
「それとこれとは別なの」
「ふ〜んまあ、いいけどあんまり根をつめるとハゲるから気をつけてね」
「ご忠告有難く受け取っておくわ」
は友人の誘いも断り、この間突き返されたレポートを自分なりに検討しやり直していた
あれからしばらくは落ち込んでいたが、ふと思い出すのは朱衡のあの人を馬鹿にしたような笑みで、自分でも馬鹿なんじゃないかと本気で考えるくらいにその笑みが頭からはなれなくて、そのたびにこぶしを握って馬鹿にすんなっっ!!と叫びだしそうな衝動に駆られていた
「やばっ・・・私ってホント重症かもしれない」
「なにが重症なんですか?」
「ん〜だから、あの男の笑顔を忘れないって・・・・」
そこまで口にしては顔をあげて固まった
友人にしては丁寧な口調だと思ったのよ!!ってかなんであんたがここにいるのっ!!
「私の笑顔がどうかしましたか?」
相変わらず丁寧な口調に読めない笑み、がまさに考えていた男がそこにいた
「っつ!!あなたには関係ありません!!」
真っ赤になって必死の思いで言い返すを朱衡は面白そうに眺めていた
「これはこれは、勉強熱心ですね」
はっ!としてが隠そうとしたレポートをタッチの差で自らの手の中に収めると
「ちょっ!ちょっと返してください!!!」
わめくを無視して朱衡はページをめくった
「ふむ・・・この前よりは幾分マシにはなっていますけど」
がひったくるようにしてレポートを自分の手に戻す
「まだまだ、お遊びの域を出ていませんね。お嬢さん真面目にやる気あるんですか」
朱衡はこれでもかというぐらいのレポートの欠点をあげ、果てはの考えすらも否定する素振りさえみせた
ぐっと我慢していただったがプチっと彼女の中で何かがキレた
「あなたに・・・あなたなんかに・・・・」
「うん?」
うつむいたまま小さな声でぼそぼそと何か言いかけているに朱衡が顔を寄せると
「あなたなんかに関係ないでしょっっ!!もう!ほっといてよっっ!!!」
はこらえきれなくなって泣きながら叫ぶと鞄を引っつかんで教室を飛び出した
その後姿を見送った朱衡は口元を隠しながら
「少々やりすぎましたかね。しかし泣き顔も可愛いですね」
悪魔のような笑みを浮かべた
信じられない!信じられない!!なんであんなこと言われなきゃいけないの?私が何かした?確かに私の考えは甘いかもしれないけど!!私の思考まで否定しなくてもいいじゃない!!
は泣き顔を誰にも見られなくて誰もいない教室に駆け込んだ
言い訳
すいません、すいません!皆様の朱衡像を壊しまくっているかと・・・・
私の中じゃ彼はこんなもんです。真っ黒くろすけも吃驚の黒い人です。
朱衡も尚隆と同じでヒロインさんを手に入れてから少しずつ性格が丸くなった人なんで
しかし、今回ヒロインさん叫びまくっている上に扱い悪ぅ・・・
次回もどーなることやら・・・とーぶん朱衡の悪役ぶりが堪能できるかと(泣)
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