梅雨に入る前の晴天

見事なまでの青空

雲一つない澄み切った空

それと正反対な心の中

大嵐状態!暴風大雨警報鳴りまくってる

すべてが夢だったならば今すぐにでも寝直すのに

 

許容できない火曜日

 

週に一度早出の火曜日。は眠い目をこすりながら大学に向かった。いつものように駐車場に車を止め、同じように出勤している大学職員達に半分寝とぼけながら挨拶していた。

その時何かがおかしいと気付いた。やけに注目されているのだ・・・

なんか変な格好してたっけ?

思わず車の窓で全身を確認するが別段変わったところはない、しかしながら周囲の視線は相変わらず痛い。

は大学職員という肩書きを持ってはいるが、雇用契約は図書館と結んでいる。最終責任は大学だが実質は図書館専属となっている、それゆえ図書館以外の大学職員とはまったくと言ってもいいほど面識がない。一応挨拶程度は交わすものの名前と顔が一致しない人間など大勢いる。

まあ、いいかどうせ会うこともないだろうし

そう判断しては図書館へと足早に向かった。彼女が視線の意味を理解したのはその日の昼近くだった。

 

「ごめん、もう一度言ってもらえるかな?」

は目の前で衝撃的な一言を口にしてくれた知人に何とか聞き返すだけの気力を振り絞ることに成功した。

「え?だから、さんって小松先生の彼女なんでしょ?」

自分の頭が正しく内容を理解するまでにえらく時間がかかった

「すごよね〜小松先生ってさんのためにこの大学を選んだんでしょ!」

そんなの初耳だ!!思わず大声で反論しそうになるのをなんとか押さえ込む

「どこからそんな話しがでたの…」

「知らなかったの?昨日、挨拶でここに来たとき宣言して言ったよ」

「もう・・いい・・それ以上言わないで・・・・・」

彼が何を宣言していったのか話しの流れから安易に想像出来た。どおりで他の職員の視線が痛いはずだ。

は一刻も早く図書館に戻ることを決めた。彼女は今、図書館から送付する荷物を大学総務に提出しにきていたのだ。

「小松先生って背は高いし格好いいじゃない!お近づきになりたい人って結構いるみたいよ」

「熨斗つけてさしあげるわ」

「や〜ね〜なに言ってるのよ!あんイイ男いないわよ!!もったいないでしょう!!」

私にとってはもったいなくも何ともないのだけれど・・・

が溜息をつきながらそう言おうとしたとき

「ここいたのか、

突然頭上から降ってきた声にはとっさに前にいた知人の後ろに隠れるという荒技をやってみせた

「小松先生!!」

語尾にハートマークが付きそうな声を上げる知人をよそには何故もっと早くにこの場を去らなかったのか後悔した

「やあ、すまないけど彼女借りていっていいかな」

その疑問系なのにどこか断定的な物言いには身震いした。昔と少しも変わらない彼の強さを目の当たりにした気分だった

「ええどうぞ。こっちの話しはちょうど終わったところですから」

どこかうっとりとした瞳で彼を見上げる知人をはひどく突き放して眺めていたが、自分に向けられた彼の強い視線に思わず目をそらした

、少し話しがあるんだが」

「私にはありません。それに図書館にもどらなくちゃ!ついでに名前で呼ばないで下さい!」

いつにない強い口調に知人は驚いた表情を見せたがとして後に引くわけにはいかなかった。そんなの態度に尚隆は目を細めるとニヤッと笑って

「図書館から許可はもらったぞ、

です!!どうしてあなたがそんなことできるんですか!!」

「できるんだよ。

少しも揺るがないその強いまなざしと口調には後ずさりした

「何が何でも付き合ってもらうぞ」

そう言いきると尚隆は逃げようとするを肩に担ぎ上げた

「尚隆!!」

思わず名前で呼んでしまいはハッとした

「じゃ貰っていきます」

唖然とする職員達を後目に尚隆は暴れるを担いだまま総務を後にした

「降ろして!!降ろして下さい!!小松先生!!」

「お前が逃げようとするからだ」

どこか楽しげなその口調には思いっきりその背中を叩いた

「結構痛いぞ

です!!」

仕方ないといった感じでようやく尚隆はを地に降ろした。

「何考えているんですか!!」

「お前が逃げようとするからだろう」

「だからといってあんなことしますか!普通?!」

「お前が俺のものだと分からせるにはちょうどいいだろう」

その台詞にうつむいてしまったはそのまま小さく何かを口にした

「なんだ?言いたいことでもあるのか?」

の顔に耳を近づけた時、はパッと顔をあげ

「私は私のものよ!!この大バカ!!!」

と大声で叫び綺麗な平手打ちをかましたのだ・・・

「少しは反省するといいわ!!」

そう捨て台詞を残しては走るように図書館に戻っていった。後に残されたのは左頬にくっきりと手形をつけおかしそうに笑う男が一人

 

 

怒りに我を忘れていたは自分が平手打ちをかました場所が学生が一番集まる食堂前だということをすっかり失念していた・・・

こうして(?)良いのか悪いのか分からないが、図書館職員と小松尚隆助教授の仲は職員だけではなく学生の間でも有名となってしまったのである・・・

後日

「これで学生もあいつに手を出そうなんて考えないだろう」

とどこかの助教授が言ったとか言わないとか・・・

 

 

 

 

言い訳

途中から無理矢理軌道修正したのがありありと分かりますね・・・

パラレルはあくまでラブコメで行く予定だったんですがちょっとシリアス入りそうになっちゃって困った困った

シリアスは番外編(またやるつもりか自分!!)で書く予定ですけどね



 

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