頭痛がする・・・

いや、頭痛なんてありがたいもんじゃなく

吐き気までしてきたわ




忘れ去りたい月曜日




また一週間が始まる

先週からことごとく起こる事態に呪われているんじゃないかと我が身の不幸を嘆いた

たぶん、おそらく、確実に、太陽が必ず東からのぼるように

今週も無事にすむことはないだろう

むしろ無事ですんだら太陽も西からのぼるだろう

このままサボり続けてスパッとクビにしてくれないだろうか

心の底から真剣に願うわ・・・・


「学校行きたくな〜い〜」

布団にくるまってうだうだとそんなことを考えていたら

突然枕元の電話が鳴り響き、飛び起きた

「はい!」

慌てふためいて出れば・・・・相手はろくなもんじゃなかった

「やあ、起こしてしまったなか?こんな時間まで寝てるなんて昨日、彼と何かあったのかい?」

陰険腹黒大魔王のくせに似非爽やかな声で朝っぱらから電話してくるんじゃないっつーの!!

「なんのことだかさっぱり。ではこれで」

「おい!ちょっと・・・・」

電話の向こうでなにやら慌てふためいた声が聞こえた気がしなくもなかったが綺麗さっぱり無視することにして、私は勢いよく電話を切った

間髪おかず鳴り響く電話に私は音量を消すことで対応した

さすがに電話線を引き抜く度胸はなかったのよ・・・・

あの副理事長が存在するかぎり私がサボり続けてもクビになる可能性はゼロに近いだろう

むしろあることないこと周りに喋りまくって、ただでさえ厄介なこの状況をなおさら複雑化させることは確かだ

ならば少々(いやかなりかな?)周りの好奇の視線は痛いものがあっても事実をきちんと説明して回ったほうが被害は少ないだろう

私の精神的被害は膨大なものがあるけど、身動きできない状況に追い込まれるよりかはなんぼもマシだわ

「よし!そうと決まれば戦闘開始よ!」

たかだか学校に出勤するだけにために私は気合を入れなおした

かつて学校のテスト中だってこんなに気合をいれたことなんてなかったわよ

ああ、でも周囲のイラつく視線はどうにかなるとしても・・・・

あの人と顔を合わせるのは正直に言ってつらいわ


もうすぐ


今までなんとか、かき集めて保っていたなけなしのプライドが粉々に崩れ去る


その時


私は・・・私でいられるのだろうか?







「いや〜今日も一日いい天気だね」

「相変わらずお暇なようですね、副理事長」

車を降りるや否や現れたこの男

「まっさか、暇なわけないじゃないか」

だったら大人しく部屋で仕事してろっ!!

いちいち返事をするのも面倒になりさっさと足を図書館に向ける

「朝の電話では非常に不機嫌だったようだが」

あんたからの電話で不機嫌にならない人間なんていないわよ

「今も続いているようだね〜」

わかってんなら近づくな!!

「彼は君に手を出さなかったようだね」

いきなり真面目な声音に変わり足が止まる

「何が言いたいんです?」

「別に」

意味ありげなその返答にイラつく

「そういえば、本日、彼も無断欠勤だよ」

「・・・・・・・・クビにでなさればよろしいのでは?」

咄嗟に答えることが出来なくて出遅れた

「はっはっはっは〜面白いこと言うね〜このまま彼をクビにしたらどうなるかわからない君じゃないだろう?」

じゃあ聞かなきゃいいでしょうがっっ!!!

心の中で思う存分悪態をつく、実際口にできないのが痛いわ。いや、言ってもいいんだろうけど周りの視線がね・・・・

ふと気付けば図書館の目の前だった

「ここまでくれば大丈夫だろう。今日も一日頑張りたまえ」

似非爽やかな笑顔を振りまいて去っていく理事長の後頭部に鞄を投げつけたいのを必死で抑えた

「うわ〜来る早々不機嫌全開だね」

「ありがとう」

同僚の言葉に作った笑顔で応えてあげた、自分の席につき深呼吸をしてようやく頭がまともに動きはじめた

なんかすっごく悔しいけど、確実に副理事長のおかげよね・・・・

駐車場からここにくるまで色々な意味が込められた視線は飛んできたけれども、誰も私に声をかけてくることはなかった

おそらく、確実に皆(特に職員)は私と尚隆の間に何があったのか知りたがっているはずだ

じゃなきゃ仕事の真っ最中というこの時間帯になんで外で息抜きしている職員があんなに大勢いるのよ!!仕事しろっ!!

学生連中が意味ありげな視線を向けてくることに疑問符を投げかけたけど、考えてみれば歓迎会のあった飲み屋街はうちの学生の多くがバイトしているところだ、誰かがみていたとしても不思議はない。それでもなくとも先週からの大騒動で私と尚隆の仲はある意味有名なのだ

そんなわけだけど副理事長が駐車場から図書館まで人の機嫌をなおさら悪くしてはくれたけど、付いてきたおかげで私は余計なこと神経を使わずにすんだ

帰りはさすがに自分でどうにかしなきゃいけないだろうけど、時間が時間だから殆どの職員は帰ってるし、学生なんてそんな時間まで残るほど暇じゃない(と思いたい)

図書館にいる限りどうにかなる!

私は全てをいつか必ず話すという約束をして、同僚に対面的業務をすべてまかせ、一人書庫に篭って古本の修繕や整理に勤しむことにした







余計なものが何一つないシンプルな部屋の中で、彼は黙々と書類を片付けていた

大方片付け終わったところで自分の携帯が鳴っていることに気付いた彼は番号を確認して笑みを浮かべた

ただし、ものすっごく人の悪い、悪巧みしてますという感じの笑みだが

「何か用でもあったのか?」

ゆっくりと焦らすように通話ボタンを押し、声を出す

「てめーさっさと出やがれ!!」

相手は相当やきもきしたのだろう大声でわめいている

「失礼だな、私は現在君の部下ではないのだし、真面目に仕事をしていたのだから仕方ないだろう」

「やっかましい!!御託はたくさんだ!!」

御託もなにも事実だとういうのに・・・・・

「で、わざわざ電話してきた用件はなんだい」

「・・・・・わかってるだろうが」

「まあね。君との付き合いもそこそこ長いものだからねぇ」

「だったら聞くなっっ!!」

「うるさいなぁ、耳元で叫ぶな。このまま切ってもいいんだぞ」

相手が即座に沈黙した。その今まででは信じられない行動に彼は笑いを堪えるのに必死だった

「彼女なら大丈夫だよ。少々機嫌は悪いようだがきちんと学校には出勤している」

の機嫌が悪い要因の一旦を自分が担っていることは無視することにしたらしい

「周囲の視線はキツイものがあるようだが、図書館に入ってしまえば大丈夫だろう。あそこの連中には言い含めてあるから」

そんなことしたのか・・・・あんた権力悪用しすぎ・・・・

「それはそうと、明日はまじめに出てきてくれないと困るんだがね」

「わかってる、明日はちゃんと行く」

「うちの頭のお堅いジジイ連中がなにかと煩いのでね」

「・・・・・明日はもっと煩くなるだろう」

「何考えているんだ?」

「お前ならどうにかできるだろうよ。副理事長さん」

副理事長のところだけトーンを変える、その意味ありげな物言いに言われたほうは小さく溜息をついた

「ジジイ連中をどうにかする分には簡単だけど、彼女のことはどうするんだい」

それに返答はなく、じゃあな、という声とともに電話は一方的に切られた

「やれやれ、そんなに彼女が大切かねぇ。過保護なものだ」

そういう自分もわざわざ駐車場まで彼女を出迎えて図書館まで付き添ったのだから過保護以外のなにものでもあるまい

「明日はいったい何をやらかしてくれるのやら」

彼は時々突拍子もない行動に出る自分の元上司に深い溜息を一つこぼした









言い訳

出したかったの!!出したかったのよ!!ピンクのあのヤツ!!出したかったんだけど、話の都合上、いきなり出すと話がつながらないので断念しました。なので今回、尚隆さんは電話でのみご登場。




 

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